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I'll always be with you【アイナナ千】

第21章 ドライヤー



「お風呂上がったよ」
『そういえば、千さんのパジャマ新しく買ったのだけど、大丈夫そう?』

千さんが私の家によく泊まりに来るようになったので、色々と買い物をした。
千さんが今着てるパジャマも新しく買ったもの。
パイル地の藍色の長袖パジャマ。


「うん、丁度いいサイズ感だよ」
『良かった。パジャマ姿すら、かっこよく見えるんだから、すごいね』
「ふふっ、当たり前」
『はいはい、そうだね。早く髪乾かしな?』
「里那がやってよ」


でた。

千さんは最近、ドライヤー係を毎回押し付けてくる。
前は、面倒。という時だけ、乾かしていたが...いいように使われてる、気がする。


『仕方ないな、座って』

千さんはカーペットの上に座る。

私はドライヤーをセットして、電源を入れる。
ぶおおおおお、という音と共に熱風が出る。

千さんの髪の毛を手に取る。
艶々な綺麗な銀色の髪。


『加減いかがですかー?』
「ん、気持ちいいね」


女性の私より綺麗でサラサラな髪。
引っかかるところなんてなくて、指通りが良い。
髪の手入れはちゃんとしてるんだろうけど、元々の髪質の良さが分かる。


仕方ない!なんて言って、ドライヤーをしているが、実は私もこの時間が好きだ。

千さんの髪の毛は普段触りにくい。
綺麗すぎて触れないというか...この時間だけは堪能できる。

ん、乾いてきたかな?


『どう?』
「うん、いいよ」

千さんは乾いたのを確認して私の横に座りなおす。


『私、千さんの髪、好き』
「そう。君なら触っていいよ」
『今さっき充分触ったよ』
「手触りが好きなんでしょ?」
『うん、サラサラで好きだよ』


千さんが私の方に頭を傾けた。
その動きに逆らわずに、サラサラと流れるようにおちていく髪の毛。



「この髪の毛の先まで君のだよ」

『え、』


私の方に振り返って言った。


「里那は誰のもの?」
『...』


私は至近距離でつめられるのに弱い。
恥ずかしくて、何も言えなくなってしまう。


「ほら、はやく」


くっ、

面白がってやってるのがわかる。



「まあ、里那が言わなくても、僕のだけど」


私の髪の毛を掬って、唇をよせた。



『わ、私もお風呂はいってくるから!』
「行ってらっしゃい」

逃げるようにお風呂場に向かった。
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