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I'll always be with you【アイナナ千】

第20章 ファーストキッス!



既視感。なんだっけ、これ?


「僕を見て」


考え事をしていたのを見透かした様に、千さんの細くて綺麗な指が顎に添えられ、顔をそっと上げられる。


「本当のキスを教えてあげる」

『えっ、んっ...んんんっ!』


唇が重なると思った時には、生温かいなにかが、口の中に入ってくる。


な、なにこれ...

知らない感覚

一瞬くすぐったい様な気持ち悪さがあったのに、よくわかんない。

うまく呼吸ができなくて、息を吸おうとした時に、角度を変えてさらに深く口付けられる。


『んんっ、っあ!、、ぅん...』


顎に添えられてた手が、私の首の後ろに回り、もう片方の手は腰に回されている。
動けない、千さんから逃げられない。



私の必死な息遣いと、いやらしい唇が絡み合う音が、耳に入ってくる。


上顎がゆっくりなぞられる

ぞわぞわと変な感じ

もっと、してほしい



その瞬間


、、っ!


ガクッと体の力が抜ける。
膝から崩れ落ちるのを、千さんが抱き止めてくれた。


「ふふっ、ごちそうさま」

口の端を舌で舐める、その仕草が色っぽすぎる。


「腰砕けちゃったね」

『ぅ、うん』


千さんは、私をそのまま抱き上げる。

『な、重いから!』
「僕だって男だ。里那ぐらいなら余裕で抱えられるよ」

そう言いながらゆっくりソファに降ろしてくれる。


「どうだった、初めてのキスは?」
『え、』


あれが本当のキスなのか。

いやらしすぎる!
なんか、やばかった!


「ほら、あのドラマ。名前は忘れたけど、あれが良いって言ったでしょ?」

あ、最初の既視感。
私が好きと言った、キスシーン。

『それとは、全然違ったんだけど』
「そう?」
『...千さんのほうが』

何もかもすごかった。
ドキドキした。

「ん?」
『すごい...良かったです』
「そう」

満足げに微笑む千さん。

「これだけで腰砕けてたら、この先大変だね」


この先...

私だって成人もしている、知識はある。
想像して、顔が急激に熱くなる。


「美味しくいただくよ、いつか」


千さんは私のおでこに、マーキングかのように口付けた。
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