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I'll always be with you【アイナナ千】

第18章 コンサートには愛がいっぱい


それは2ヶ月ほど前の出来事だった。


【今度ツアーやるんだけど今回も来れない?】

環くんからのラビチャだった。


コンサートに来てほしいという誘いをずっと断り続けていたからだろうか。
最初から断られる前提で聞かれて、胸が痛む。

今まで、ごめんね。


【今回は行けるよ!】
【ほんと?】
【うん、コンサート楽しみにしてるね!】
【やったー!!そーちゃんに言っとくな】


喜んでるスタンプが連続で5個送られてくる。

環くんの喜んでる様子が頭で思い浮かぶ。
コンサート見に行けるようになって、私も本当に嬉しい。



後日、仕事帰りに家に来たお兄ちゃんがチケットを手渡してきた。

招待席のチケット。
招待席は申し訳ないから自分でチケットを取る、と断ったのだが。

「あの子達が特等席で見てほしい!アイドリッシュ7を目一杯楽しんでほしい!て、目をキラキラさせて言ってたぞ」


目をキラキラさせてる二人の顔が浮かんできて、チケットを受け取った。
ファンの人には申し訳ないが、今回だけと言い聞かせて。








「里那さん、この前のコンサートどうでしたか?」
『すっごい良かったよ!』
「だろだろー!早くオレたちのコンサート見に来りゃよかったんだよなー!」
『そうだね〜!今までの分も今回は存分に楽しんだよ!』


アイナナのコンサートを観た数日後、ラジオ前に時間があるから会えませんか?と壮五くんから連絡があった。
コンサートのお礼もしたかったし、仕事を早めに切り上げて会うことにした。

コンサートは本当に良かった。
アイドリッシュ7は虹のようにキラキラしていて、その姿に元気を沢山もらった。
一人で見に行ったけど、今までの事が嘘のように体調も崩さず、最後まで楽しめた。


「それで、はい、これ!」
『ん?』
「チケット!」
『いや、この前コンサート見させてもらったよ?』
「いーや、前回はアイドリッシュ7を観に来ただろ?これはオレを見にくる用。ほら、そーちゃんも」
「う、うん。僕からもチケットです。来てくれますか?」
『えっ』
「そーちゃんのチケットは、そーちゃんを観に行く日のやつな!」


そうきたか。

前回、お兄ちゃんからチケットを貰った時に頭に浮かんだ、目をキラキラさせている二人の姿。
実際の二人のお願いのパワーは凄まじかった。


こ、断れない...
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