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I'll always be with you【アイナナ千】

第12章 お兄ちゃん




あれ以来、千さんからの連絡は少し減ったが、以前と同じように急に夕飯に呼ばれるようになった。
一時より仕事が少し落ち着いてきたのだろう。
無理せず健康に気をつけて仕事を続けて欲しいので、大量の連絡が減って安心してる部分もある。




今日は久しぶりにお兄ちゃんが家に来るらしい。

兄妹仲は良いと思う。
でも、その仲の良さはべたべたする感じではない。
前はベッタベタだったのだか、5年も会えない時間があった。
お互い自立したのもあるかもしれないが。

久しぶりのお兄ちゃんの姿は、髪を長く伸ばしており、スーツを着ていて...自分の知らない人になってしまった気がした。
話もして、沢山涙して、感動の再会だったのだが、以前の距離感は5年の空白で分からなくなってしまった。




ピンポーン...

『はーい、どうぞ〜』


インターホンのモニターに映るお兄ちゃん。
しばらく玄関の前で待っていると、コンコンとノックの音が聞こえたので、玄関の扉を開ける。


「里那お邪魔するよ」
『お疲れさま。ご飯買ってきてくれてありがと!』
「寿司買ってきたよ」
『え、お寿司!好きなの、覚えててくれたの?』
「そりゃ、覚えてるよ〜」
『流石、お兄ちゃん!手洗ってきて、準備しとくね』


お兄ちゃんからお寿司が入ってるビニール袋を受け取る。
私は子供の頃からお寿司、特にサーモンが大好き。
覚えててくれたのが嬉しい。


『あ、スーツのジャケット、そっちの部屋にハンガーあるから使ってね』
「ああ、ありがとう」


二人用の小さめのテーブルに、お寿司や箸を並べていく。
ワイシャツ姿のお兄ちゃんが戻ってきて、向かい合わせで席につく。

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