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I'll always be with you【アイナナ千】

第1章 妹というポジション




初めてお酒を飲んだ次の日の朝。

里那は介抱が必要だから外で飲むのは禁止!と言われたのは、ハッキリと記憶に残っている。


自分が酔ったらどんな状態だったのかと聞くと、何にでも笑って楽しんでると思ったら、素面の里那では言えないような、恥ずかしい事を話してから、急に電源が抜けたように寝た、と淡々と千さんは教えてくれた。
もっと細かく聞きたい?なんて言われたが、悪寒がして遠慮をしといた。


『初めてお酒を飲んだ日にやらかしたから、自分の酔った姿が恐ろしくて、結局千さんとお兄ちゃん以外の人とお酒飲んだ事ないんだよね』
「飲める相手が二人もいればいいじゃない」
『良くないよ〜、最初は仕事の付き合いとか、断るのがすごい大変だったんだから』
「醜態を晒さずに済んだんだろう。僕の忠告に感謝してほしいぐらい」
『感謝はしてるけど、なんか悔しい』
「まあ、今日は僕の家だから。いいよ」

何がいいんだか。
私は千さんの前だからこそ醜態なんて晒したくないんですけどね!と心の中で盛大にツッコミを入れる。


千さんはそんな私の気持ちなど露知らず、私のグラスにワインのおかわりを注いでいく。
お酒の味は美味しくて、千さんのご飯と合わせて、つい飲み進めてしまう。
罪な飲み物だ。


千さんは、お酒が強い方らしい。
毎回、私の方が先に寝落ちてしまうので、酔ったところなんて見たことない。
酔ったらどうなるんだろう...?


そんなことを考えていた...









重い瞼を開ける。
背中にはふかふかな感触。


ああ、気持ちよく寝ていたな。


ちらりと壁にかけてある時計を見ると4時。
また、やってしまった、と思いつつ
隣を見ると、千さんが穏やかな顔して寝ている。


当たり前のように、今日もベッドで二人で寝てる。


大きいベッドだから、窮屈ではないし、くっつきながら寝てるわけでもない。
快適に寝れているから、千さんは問題ないのかもしれないけど...
内心もやもやとする。



数年前はこの関係が発展すればと考えていたこともあったのだが、今はない。

千さんは彼女と長続きしない。


もし彼女になって直ぐ捨てられるぐらいなら
こうやって当たり前に隣に居られる妹でいいかなって。

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