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I'll always be with you【アイナナ千】

第4章 忘年会




「もしもし、里那ちゃん?」
「なに、モモ?」
「あれ?!ユキ?」
『あ!運転中だからスピーカーだよ』
「あー!そういう事ね!運転中にごめんね」
『いいけど、電話どうしたの?』
「ユキ大丈夫そう?」
「僕は大丈夫だ」
「にゃはは、それなら問題ないね!」

本人の大丈夫は当てにならないって!

『まあ、家に無事に送り届けるから安心して』
「うん、よろしく〜!あ!ユキと里那ちゃんが急に帰っちゃったの、こっちはうまくフォローしといたから」
『助かる!少し気になってたから、百くんありがとね』
「はあ、また、君は。僕が隣にいるのに、モモと話すのか」
『それは、電話してるんだから当たり前だよ!』
「モモ、またね」
「あはは!ダーリンまたね!里那ちゃんも!」
『ごめんね、またね』

私の話の途中でポロンという電話が切れる音が聞こえた。


最初のごめ、しか電話に入ってないと思う。
酔ってる千さんは、ちょっとでも会話に入ってないと、寂しくて死んじゃう生物なのだろうか...。
とんだ暴君のかまってちゃんだ。


『電話は途中で切らないでくださーい!』
「ふふっ、里那が僕を放っておかなければいいよ」
『はいはい』
「さっきもこっちに来ないで楽しくやっていたでしょ」
『ん?』
「壮五くんと話していただろう」
『ああ、一年前ぐらいからMEZZOとは知り合いなの』
「へえ...あんなに仲良くやってるとは、知らなかったな」
『言ってなかったからね?』

酔っ払いの戯言と思って、受け流しつつ私は車を走らせ続けた。

「僕に隠し事か」
『隠すって、話す機会がなかっただけでしょ?』
「無理。話して」
『なんで、私の交友関係を千さんに話さないといけないの』
「彼は、明らかに君に好意を抱いているのが分かったからだ」



え?


酔ってたとしても、今の発言はいただけない。


「分からなかったのか?」
『分からないも何も...そういう事決めつけるような言い方は失礼でしょ?』

「...そうか、君は鈍感だったんだな。それともわざとか?男との距離感をはかれない君の危機管理の無さに驚きだ」





頭の中が一瞬で真っ白になった。

『家着いたよ。早く降りて』

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