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I'll always be with you【アイナナ千】

第22章 先輩な一面




「大和くん、また家出をしてきたのか?」
「違いますって!」
「へえ、じゃあ、僕に会いたくなって来たのか?」
「ある意味合ってますけど、違いますから」


千さんの家に入ると、千さんの声ともう一人別の声が聞こえた。


ゆっくりとリビングに顔を出す。
『お、お邪魔します』
「里那おかえり」
「え、大神さん?」


アイドリッシュ7の二階堂さん?!


『邪魔しちゃってごめんなさい。二階堂さんがいらっしゃるとは知らなくて』
「いいよ。邪魔してるのは大和くんの方だから」
『お話があるんだろうし...私帰るよ?』
「いや、こちらこそすみません。まさか、あんたに特別な人が出来てるなんて、これは驚いたな」
「大和くんの話は、僕と二人きりじゃないと出来ない話?」
「いや、まあ、大丈夫っすよ。悪いですし」

大和くんは頭に手を当て、気まずそうだ。


いや、本当に申し訳ない。
千さんからの連絡では、家で待ってるね、という文面のみだった。
二階堂さんが来るって、先に言っておいてよ!
そしたら、遠慮したのに!!
ちゃっかりご飯は3人分用意してあるし。


「大神さん昨年末の忘年会の時は、ありがとうございます」
『いえ、こちらこそ皆さんとお話できて楽しかったです』
「あの時は、後輩に里那が捕まるとは思わなかったよ」
『ちょっ、千さん!!』
「あははは、そりゃ、こんな美人がいたら放っておきませんよ」
『二階堂さんも辞めて下さいよ』
「はあ、悪い虫がつかないように気をつけないと」


帰れるタイミングを逃し、観念して千さんの隣に座った。


「それで、僕に話って?」
「オフレコにして欲しいんですけど、今度の映画の役づくりで、千さんに聞きたくて」


千さんはキラキラなアイドルである。
それと同時に、華のある役者でもある。
二階堂さんも千さんと同じで、アイドルでありながら役者としても有名だ。

千さんとドラマを一緒に見ていた時、大和くんの演技は凄いよ、と褒めていた。


「僕に相談しなくても、大和くんなら役と向き合って良い演技が出来るよ」
「それが考えてもどうしても分からなくて」


二階堂さんは猟奇殺人者の難しい役や、人気作である三日月狼のリメイクも素晴らしい演技で評価されていた。
その二階堂さんが人に相談する難しい役ってどんなのだろう。
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