第9章 潜入準備
「だけど、おんりーにはいつも助けられてもらってるからなぁ」
と言いながら、おらふくんは服の下に弓矢を隠す。それはドズルに賛同を示しているようなものだった。
「でもドズルさん、作戦はあるんですか?」
MENの言葉に、二人の視線はドズルへと注がれる。足元にいるネコおじも、ドズルを見上げた。
「作戦は、あそこのひび割れた壁を壊して潜入する!」
とドズルは近くにある建物を指した。
そこにある建物は石造りで出来た頑丈そうな壁で出来ていたが、よく見ると一部だけひび割れている箇所があった。
猫であるネコおじは、高所に鉄格子の窓があるのをすでに発見していたので、じゃあ僕が先に見てきますと歩き出せば、ひょいっと体を持ち上げられた。
「ネコおじ、僕たちから離れたらあかんよ?」
おらふくんに抱えられてしまった。ネコおじ一匹では探索はさせてもらえないみたいだ。