第3章 日常、それぞれの想い(♡)
数回綺麗な栗色の長い髪を梳かすように撫でてやると、大きな瞳がだんだんと下がって来てうつら…うつら…と長いまつ毛がその大きな瞳を覆いかぶさる。
そしてしばらくすると、スゥーー…スゥーー…と可愛らしい小さな寝息が俺の腕の中から聞こえてくると視線を下に向ける。
俺の胸板に擦り寄るようにTシャツを小さな手でキュッと握りながら、安心しきったように眠る。
「…安心しきった顔しやがって…っ。
ったく、困ったお嬢だなァ。」
そう言いながら前髪をそっと掻き分けて額にチュ…と口付けてやると、の心地良い体温に自身の瞳も自然と下がってくる。
「…おやすみ、。」
久しぶりにぐっすり眠れそうな夜に自然と口角が上がり、気付けば深い眠りに落ちていっていた。
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圧紘さんの気持ち、弔くんの気持ち、荼毘さんの気持ち…。
それぞれの想い、そして私の気持ち。
真剣に想いを告げてくれた彼らの気持ちに応える事を選んだ私。
この選択が間違いだったとしても、それは私が決める事だから…。
ふしだらと言われても、私も真剣に彼らを想っている。
私がその事を曲げずに信じ続けていればいい。
誰か一人を選ぶ事なんてできない…っ。
だって、みんな大切な…大好きな人たちだから…。
好きがいっぱいあってもいい。
私が私の想うまま…好きに生きればいい。
それがこの敵連合だから…っ。
みんなの生きやすい世の中に早くなればいいな。
そう願った夜はうっすらと月明かりを照らした、綺麗な夜だった。