第3章 日常、それぞれの想い(♡)
圧紘さんの事も好き…弔くんの事も好き…。
そして荼毘さんの事も好き…。
ヒミコちゃんは好きがいっぱいあるのは悪い事じゃないって、いつだったか……。
ヒミコちゃんが一方的にしてくれた恋バナの時に言っていた。
ヒミコちゃんは雄英生のイズクくん?って男の子が好きって言ってた。
あと、オチャコちゃんとツユちゃん?って子達の事も好きって言ってた。
でも、私とヒミコちゃんのこの“好き”は一緒なのかな…?
短い期間だけど、朝も昼も夜も特別な事や仕事がない限りずっと一緒に過ごしてきたから…家族愛みたいなもの?
でもこの胸のトキメキは何?
触れられるのも嫌じゃないし、触れたいとも思う…。
キスだって、それ以上の事も求めてしまう。
それは好きだから…っ。
恋愛の好きだから、もっと深くまで求めてしまうの…。
それが圧紘さんにも、弔くんにも、荼毘さんにも…ってやっぱり私がおかしいのかな?
でもこの気持ち…この想いを止められない…っ。
「…おい。何難しく考えてんだ。」
そんな事をグルグル、グルグル頭の中で考えていると、ほっぺをむにゅ、と荼毘さんの片手で挟みながら持ち上げられると澄んだ蒼い瞳と目が合う。
「…険しい顔しやがって。そんな難しく考えるな。
自分の気持ちに素直になればイイじゃねェか。」
頬を片手で挟まれたまま、多分すごく間抜けな顔だと思うけど荼毘さんの言葉に答えるように真っ直ぐ見つめる。
「お前は俺の事が好きか?」
荼毘さんの言葉に小さく頷く。
「俺もお前が好きだ。すげェー好き…。
それじゃダメなのか。」
今度は優しく両手で包み込むように私の頬に触れると綺麗な蒼い瞳で真っ直ぐ見つめながら言う荼毘さんにポポ…と頬を赤く染める。
『…だめじゃ…ない…です…っ。』
「…ん、ならもうお喋りはおしまいだ。」
そう言えば、またスル…と耳裏に荼毘さんの大きな片手を差し込まれるように頭を抱き込まれると、ふわりと唇が合わさる。
『…ンッ…んぅ…っ。』
すぐに隙間から舌を差し込まれると絡めとられるようにクチュ、クチュ…といやらしい音を立てて口付ける荼毘さん。