第1章 過去、そして出逢いへ
『はぁ…ッ…はぁ…ッはぁ…ッ、
はぁ…ッはぁッはぁッ……』
逃げなくっちゃ…ッ!!早くッ早く…ッ!!
息が苦しい…っ…
足がもつれて転びそうだよ…ッ…。
「!!逃げてッ!!早く…ッ!!」
今まで見た事もないような必死な顔で言うお母さん。
何かを察した様に慌てて裏口へと私を押し出すお父さん。
靴も履かずに必死に裏口から逃げるように走り出した私の耳に聞こえてきたのは、何かが倒れて割れるようなけたたましい物音と今まで聞いた事もないようなお父さんとお母さんの苦しそうな叫び声だった…。