第3章 日常、それぞれの想い(♡)
『…ぁれ…コンプレスさん…?』
「おはよ、ちゃん。
でも二人っきりの時は…?」
『ぁ…圧紘、さん…っ///』
「…ん、よく出来ました♡」
満足そうにニコニコ笑う圧紘さんとは反対に、まだ名前呼びになれない私は恥ずかしくって頬を染めながらムク、とソファーから身体を起こす。
「こんな所で無防備に寝てちゃダメじゃない。
いつ、どこで、誰がナニするか
わかんねェんだから…っ。心配するでしょ?」
『…ごめんなさい。』
私が座っている隣によいしょ、と腰を下ろして並んで座る圧紘さん。
「…ん、わかれば良し。
今日はちゃんも飯作ったり
色々頑張ってくれたから疲れたよな。
ありがとうね、飯美味かったよ。」
茶色の瞳を細めて柔らかく微笑みながら言う圧紘さんの表情にトクンッ…と胸を高鳴らせるとまた頬を染めながら照れてしまい、両手で指をもじもじ弄りながら俯いてしまう。
「なぁに?また照れちゃったの?
ほんとちゃんは恥ずかしがり屋で
可愛いね…っ。」
もじもじ弄っている指の上から圧紘さんの大きな手が重なると包み込むようにぎゅっと握られ、コテン、と首を傾げながら顔を覗き込む圧紘さんの顔は何だか楽しそうな意地悪な笑みを浮かべている。
『…圧紘さんの意地悪、です…っ。///』
「好きな女の子はいじめたくなるモンでしょ?」
そう言えば、更に距離を縮めて圧紘さんの長くて綺麗な指が私の頬に触れるとスル…と優しく撫でられる。
『…近い…です…っ。///』
「…ん、知ってる。」
『…心臓がもたないです…っ///』
「…ダぁメ。ちゃんと顔、見せて?」
整った圧紘さんの顔が間近にあり、その上低くて色っぽい甘い声で言われると恥ずかしさやら胸のトキメキやら色々と限界で、顔を隠すように両手で覆って俯くと、パシッと手を取られ引き離されると、また顔を覗き込みながら茶色の瞳で真っ直ぐ見つめられる。