第6章 突然の別れ(♡)
それは突然の別れだった。
『ぁ…ッ、やぁっ…ダメぇ…圧紘、さんッ…。』
「…ん、“ダメ”じゃないだろ?
“イイ”だろ…。」
『ぁンッ…ぁア…もぅ…またイくぅ…っ♡』
「…ンッ、俺も…っ、出る…っ。」
街の外れにひっそりと佇んでいる、決して広いとは言えないワンルームの部屋の中。
ベッドのスプリングをギシギシ軋ませながら、もうすぐ訪れる果てを目指すように激しく腰を打ち付ける圧紘さん。
そして…私たちは同時に絶頂の波を迎えた。
此処は圧紘さんが敵連合に加入する前に住んでいたお部屋。
今、私たちはそこに二人で住んでいる。
その理由は…敵連合は再び同志集めのため、一旦各々が各地に散らばって組織の拡大のために勤しんでいた。
そして私は圧紘さんと共に行動をしていた。
圧紘さんと過ごすこのワンルームの生活は贅沢とは言えない細々とした生活だが、圧紘さんとのこの甘い時間も、その辺にいるごくごく普通の恋人同士みたいでとっても幸せな毎日を送っていた。
そんな生活を送ってしばらくしてから、弔くんが一度集まりたいとの事で連絡を受けて久々にみんなが集まる廃倉庫へと向かっていた。
「…ちゃん〜お久しぶりです!」
『ヒミコちゃん〜久しぶり!元気だった?』
「はい!この通り元気です!」
廃倉庫の鉄扉を圧紘さんが開くと、中には弔くんとヒミコちゃんとマグネさんがいて、ヒミコちゃんが一目散に私に駆け寄って来てくれてギュッと抱きしめ合いながら再会を喜んだ。
『…弔くん、マグネさんお久しぶりです。』
「…あぁ。変わりなさそうで安心した。」
「久しぶりね、!
ミスターとの同棲生活は満喫したのかしら?♡」
変わりなさそうな弔くんに微笑みながらも、マグネさんの言葉に恥ずかしくなると頬を赤く染めてしまう。
そんな私たちとは違って、すぐに業務連絡兼、近況報告をし合う圧紘さんと弔くん。
どうやら話を聞いていると黒霧さんは同志集めとは別件で動いてるらしく、この集まりには来ないらしい。
スピナーさんは後日合流予定で、荼毘さんは連絡が付かず。
そしてトゥワイスさんはこの後、スカウトした同志を連れてくるとの事だった。