第5章 敵連合、みんなの夢(♡)
『…っ、ん…。』
温かなぬくもりに身を捩ると薄っすらと瞳を開ける。
すると目の前には圧紘さんの整った寝顔があって…。
お互い何も身につけていない事に気付くと、昨夜の行為を鮮明に思い出して恥ずかしくなると頬を紅く染めて、もぞ…、と圧紘さんの胸板に顔を埋める。
「…ちゃん、起きたの?」
上から圧紘さんの声が聞こえると、そっと顔を上げて茶色の瞳を見上げる。
『…おはよ…ございます…っ。』
「…ん、おはよう。身体、大丈夫?」
『ぅん…大丈夫…っ。』
圧紘さんの言葉に更に昨夜の事が現実味を帯びるとまた恥ずかしくなり、小さな声で応える。
いつもと違う環境での行為に大胆になってしまった事を今更ながら恥ずかしくなってくる…。
「昨日のちゃんも可愛かったなァ…♡」
『恥ずかしぃ…圧紘さん…っ。』
私の様子にクス、っと小さく笑うと頭を優しく撫でてくれる。
「…さぁ、このままちゃんと
まったりしたいところだが、
死柄木たちからのお咎めを喰らう前に
戻ろうか?」
そう言えば、私の身体を起こしてくれて二人でシャワーを浴び、身支度を整えると仮宿のアジトへと帰る。
連合の朝は遅い事もあり、仮宿へ着いた時にはまだ誰も起きていなかった事にホッ…と胸を撫でおろす。
そしてリビングで圧紘さんと寛いでいると、少しずつメンバーが起床して集まりだす。
最後に弔くんが起きてくればおもむろに口を開く。
「…ここに留まるのもいつヒーロー共に
見つかるかわからねェ。
だから一旦、解散して各自仲間集めに
勤しんでくれ。
集合は…おってまた連絡する。」
とうとうこの時が来てしまった。
もともと仮宿には長く留まれない事はわかっていたけど…連合結成以来、寝食ともに過ごしてきた仲間たちと離れてしまう事にとても不安と寂しさを感じる…。
「…、そんな顔するな。
またすぐに会える。
それまでお前はコンプレスと共に行動しろ。
いいな?」
私の気持ちにいち早く気付いた弔くんが優しく頭を撫でてくれると私を圧紘さんへと託す。
こうして私たちは一旦、解散してヒーローの目をくらますように散り散りに散った。
この日がみんなで過ごす最後の日になるとは知らずに…。