第2章 はじまりと襲撃(♡)
『弔くん、おはよう!』
『ヒミコちゃん、一緒にこれ食べよう?』
『黒霧さん、何かお手伝いしましょうか?』
『荼毘さん、こんにちは!』
『コンプレスさん、いつもありがとうございます』
『トゥワイスさん、これ持っていきますよ?』
『スピナーさん、どうぞ?』
『マグネさん、これどうすればいいですか?』
が敵連合に加入してからしばらく経つが、メンバーを上記のように名前で呼ぶくらい馴染みはじめていた。
初対面の時にいなかったマグネさんともすっかり打ち解けた。
「それにしても、ちゃんは
カァイイねぇ〜♡カァイイねぇ〜♡
まつ毛がくるんってしていて、
お目めもパッチリでお肌も真っ白〜♡」
BARのカウンター席でヒミコちゃんと並んで黒霧さんの入れてくれたアップルジュースを飲んでいるとふと、覗き込まれながら言われた言葉にキョトンッと小首を傾げる。
頬を染めてハァハァッ…と今にも切り刻んで来そうなヒミコちゃんに少し危機を感じ始めた時、急に後ろからグィッと引き寄せられ危うく飲んでいたアップルジュースをこぼしかけたがこぼれなかった事にホッとひと息吐くと後ろから腕を回しながら抱き寄せる彼の顔を見上げ…
「そのナイフしまえ、このイカれやろう」
「荼毘くん、邪魔しないでください」
とが敵連合に来てから何度やったかわからないこのやり取りを今日も繰り広げていた。
「トガちゃん、そろそろそのナイフでちゃん
切り刻もうとするのやめよーぜ?
嫌われちまうぜ?」
私の左隣で片肘をついて頬杖をし、長い脚を組みながら座っていたコンプレスさんが呆れたように私の右隣に座っているヒミコちゃんに言う。
「ちゃんに嫌われるのはやです。
ナイフしまいます」
コンプレスの言葉に渋々と言ったように仕方なくナイフを仕舞うトガを見ながらクスッと小さく笑う。