第4章 初任務(♡)
『と…弔くん…っ。///』
「…おいおい、ボス〜。
今イイトコロだったのに…
ちっとは空気読んでくんねェ?」
弔くんに見られた事に恥ずかしくて頬を染めながら俯く私とは反対に、見られた事なんてどうって事ないように余裕な表情で外しかけていたベルトを締め直しながら飄々と言う圧紘さん。
「ふざけんな…。
ったく…、黒霧から大事な話がある。
他の連中もすぐに帰ってくる。
その前に、その顔どーにかしとけ。
あと、服もちゃんとしろ。」
弔くんに言われ、慌てて真っ赤な頬を治めるように両手でおさえて冷やした後、エプロンのリボンをくくり直して服を整える。
それから出来上がったハンバーグやサラダを盛り付けてダイニングテーブルに並べていく。
そうこうしていると、他のメンバー達も集まりだして全員がダイニングに揃ったところで黒霧さんが話を切り出した。
「皆さんには明日、パーティーへ
参加していただきます。」
『…パーティーですか?』
黒霧さんの言葉に小首を傾げて尋ねる。
「はい。パーティーと言っても、
この敵連合の顔を売る為のお偉いさん方が
集まるパーティーでの接待ですよ。」
「…なぁ黒霧、
ソレ、俺も行かねェとダメなのか…?」
説明をする黒霧さんにダイニングテーブルに肘を付いてフォークにハンバーグをさして食べながら面倒臭そうに尋ねる弔くん。
「当たり前です、死柄木弔。
貴方はこの敵連合の長ですよ。
貴方が行かなくて誰が行くのですか?
それにこれは全員参加の決定事項です。」
「…あ?
俺たちも行かねェといけねぇのかよ」
黒霧さんの言葉に今度は荼毘さんが面倒臭そうに反応を示す。
その側では“ パーティー!パーティー!仁くんパーティーですよ♪ ”とヒミコちゃんとトゥワイスさんがはしゃいでいる。
「氏子ドクターからの支援で
全員分の正装のタキシードとドレスを
預かっております。
パーティーにはそれをお召しになってください」
黒霧さんの言葉で全員参加が決定された。
私にとっては任務らしいお仕事はこれが初めてになる。
しかも正装したパーティーの参加なんてこれまでした事がないため、未知の世界に少しドキドキした。