第4章 禅寺人斬り騒動編
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その微笑ましい姿を見送ってから
あたしは未だ声を発せずに固まっている侑李ちゃんの顔を再び覗き込んだ
にの江「あのね、侑李ちゃん……
……あたしも、雅吉も、侑李ちゃんが大好きだから、侑李ちゃんのお祖父さんとこには、あんたを預けたくなかったんだょ……
……それでね、話し合って……あたしと雅吉とで、侑李ちゃんを育てようって話になったんだけど……
……侑李ちゃん……あたしんちの子に、なってくれるかい?」
そう言って侑李ちゃんをじっと見つめると
侑李ちゃんは、もじもじと恥ずかしそうにあたしを見上げた
それから、ちょっと目を伏せると、小さな声でぽつりと言った
侑李「…………ははさまって…………」
にの江「ん?」
侑李「…………ははさまって、よんでも、いいの…?////」
にの江「もちろんさ……呼んでくれるかい?」
侑李「うん」
侑李ちゃんは、恥ずかしそうな顔のまま顔をあげると
にっこりと微笑んだ
侑李「…あのね、ゆうり、ずっとね……ずっと、ははさまって呼びたかったの////」
にの江「!!!……そう、かい////」
侑李「うん。……ははさま/////」
にの江「侑李ちゃんっ…!!/////」
雅吉「…………なんか、アレだな…………ちっとばかり、妬けるな(笑)」
ひっしと抱き合い涙ぐむあたしと侑李ちゃんを見て
雅吉が、ボソッと呟いた
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