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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第4章 禅寺人斬り騒動編


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にの江「そうかい、良かった(笑)

じゃあ、寝ようかね?」

侑李「はい////」



あたしは恥ずかしそうに、でも嬉しそうにニコニコ笑っている侑李ちゃんを抱えて、寝床に入った



(………暖かいねぇ)



雅吉に抱かれて寝るのとはまた違う、何とも言えない様な暖かさがあたしの体を包む

その柔らかな暖かさと匂いを…あたしは決して忘れまいと思いながら、眼を閉じた



(雅吉も大概体温が高いけど、子供って言うのはやっぱり大人より暖かいもんなのかしらねぇ)



ほかほかと、心地良い暖かさをもたらすその小さな体をそっと抱き締めると

早速うとうとし始めた侑李ちゃんが、ぽつりと寝言を言った



侑李「……はは、さま……」

にの江「………」

侑李「……はは、…さまぁ…///」

にの江「………なんだぃ?」



あたしは、半分眠りに落ちている侑李ちゃんの頭を

そっと撫でて囁いた



にの江「…母様は、ここにいるよ…何時も、侑李のそばにいて、お前を見守っているからね…

…安心して、お休み?」

侑李「……………」



侑李ちゃんは、あたしの囁きを聞くと

嬉しそうに、にぃっと微笑んで、深い眠りに落ちて行った





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