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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第4章 禅寺人斬り騒動編


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お智「にの江姉さん、お留守番ありがとう御座いました」

翔吾「おや、雅吉兄さんおいでだったんですか!」



雅吉が子供らとじゃれ合って遊び出したところで

お智ちゃんと翔吾さんが帰って来た



にの江「お智ちゃん、おかえり」

雅吉「いよぅっ!邪魔してるぜぃ!」

恋太郎「かぁたまぁ♡」



挨拶を交わすあたしたちを押しのけて、恋太郎ちゃんは一目散に母親に駆け寄って抱き付いた



お智「ただいま、恋太郎

良い子にしていましたか?」

恋太郎「うん!」

翔吾「そうかぃそうかぃ、恋太郎

ほら、父さまが抱っこしてあげよう…」
恋太郎「やら。」(←真顔で食い気味に拒否る恋太郎ちゃん(笑))

翔吾「……恋太郎ぉ(泣)」

お智「もう、翔吾さんたら泣かないで?///」

翔吾「お智ちゅわ…」
─どんっ!!
恋太郎「こいたろー、おぃちゃんにおかちもらった!

あと、はっぱたべた!!///」(←母親にすり寄る父親を突き飛ばす恋太郎ちゃん)

お智「……え?はっぱ…?」(←突き飛ばされた翔吾を放置するお智ちゃん)

翔吾「……お智ちゃあん(泣)」



翔吾さんは、恋太郎ちゃんに突き飛ばされて尻餅をつくと

突き飛ばされた自分よりも、恋太郎ちゃんを心配そうに見ているお智ちゃんを見上げてから

そのままヘタレていぢいぢと泣き崩れた(笑)



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