第4章 禅寺人斬り騒動編
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侑李「いたくない」
侑李ちゃんは雅吉に言われて、雅吉の大きな手をむにむにと弄って返事をした
雅吉「そうかそうか、流石侑李は男の子だな!えらいぞ!」
侑李「うんっ///」
雅吉は、誉められて嬉しそうに笑う侑李ちゃんを見て眼を細めてにっこり笑うと
侑李ちゃんの頭を撫でて、また話しはじめた
雅吉「んでよ、俺ぁまた忠義んとこ行って、詳しいコトを調べてくるからよ
なんでも訊いたら、今日、ちょうどそのお屋敷に出稽古へ行くらしい」
にの江「そうかい……大倉さんには、訳を話したのかい?」
それを聞いた雅吉は、ちょっと困った顔を作って笑うと
ピシャリと膝を叩いた
雅吉「言う必要はねぇだろうょ
あぃつぁ案外抜けてっからな
ポロッと余計なコトを言っちまわねぇとも限んねぇからよぅ(笑)」
にの江「……(笑)」
確かに、大倉さんは見た目に寄らず案外オッチョコチョイだよねぇ
なんて思っていたら
じっと黙って話を聞いていた侑李ちゃんが
雅吉の手を掴んで、くいっと引っ張った
侑李「ねぇ、また、おーくらのとこ、いくの?」
雅吉「おぃちゃんはな
お前は、ソコにいるお前の母ちゃんに良く似た別嬪さんと遊んでな」
にの江「別嬪は余計だよっ////」
雅吉「あっはっはっはっ!!悪りぃなぁ、にの江!俺ぁ根が正直なもんでよ!!」
にの江「…………バカ/////」
侑李「………?」
“別嬪”なんて言われて照れてるあたしを見て
侑李ちゃんが、不思議そうに首を傾げた
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