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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第4章 禅寺人斬り騒動編


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それを聞いた侑李ちゃんは、一瞬ぽかんとしてから

ギュッと唇を噛み締めてうるうると瞳を潤ませた



侑李「…………おとこのこでも、いいもん……ゆうりは、こいちゃんをおよめさんにするんだもん////」

恋太郎「わぁーい、こいたろー、およめたん、およめたんー♪」(←“お嫁さん”の意味がイマイチ解っていない(笑))

お智「だ、だめですよ!恋太郎っ!!

お、男の子はお嫁さんにはなれませんからっ!!////」

にの江「………まあ、その内解る時が来るさ(笑)」

お智「そんなぁ、にの江姉さんまで///」

雅吉「あははははっ!そんな顔すんねぇお智ちゃんよぅ!別嬪さんが台無しだぜぃ!!(笑)」



情け無い顔をして困っているお智ちゃんを見て馬鹿笑いをする雅吉


そんな大人たちの様子を見て

恋太郎ちゃんと侑李ちゃんは、顔を見合わせると、キョトンとした顔で首を傾げた









結局その後

侑李ちゃんと恋太郎ちゃんが一緒に寝ることを警戒した(笑)お智ちゃんが

「侑李ちゃんはにの江姉さんにお任せします」

と言って、侑李ちゃんをあたしに押し付けて(笑)恋太郎ちゃんだけを連れて帰ってしまったので


あたしは、侑李ちゃんの世話をする羽目になった



(……羽目って事はなぃね(笑))



侑李ちゃんは、よほどあたしが母親に似ていたのだろう

すっかりあたしに懐いてくれて


もう一息で「ははさま」なんて呼ばれるんじゃないかって勢いで甘えてくれた


何気に、お智ちゃんに恋太郎ちゃんが出来てからこっち

子供が欲しくて仕方なかったあたしは

まるで、自分に子が出来たみたいな気がして

……嬉しかった



(……そんな事思ったら、亡くなった侑李ちゃんのおっかさんに申し訳ないわよねぇ)



あたしは、客間に寝かしつけた侑李ちゃんの寝顔を眺めながら

いっそ、このままうちの子になっちまえば良いのに、なんて

そんな事を考えていた



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