第3章 養子騒動編
旅は道連れ、世は情け
この世は大平、花より団子
そんな此処は、華のお江戸の八百八町
義理と人情が大好きな、粋で鯔背なスットコドッコイが集う町
皆様、お久しゅう
またまたご無沙汰しておりました
にの江で御座います
あの、仇討ち騒動があってから、かれこれ二年が過ぎましたが
そんな長い間ご無沙汰している内にねぇ
お智ちゃんと翔吾さんの間に、そりゃあ珠の様な可愛らしいやや子が産まれましてねぇ
名を、「恋太郎」と申しまして
今はもう、齢も一つを数えまして、片言を話したりなんかして
そりゃあ可愛い盛りで御座いますよ
何せ、翔吾さんなんざ
可愛い嫁にそっくりな恋太郎ちゃんを、そりゃあ溺愛してましてねぇ
「眼の中どころか、鼻の穴に突っ込んだってこれっぽっちも痛かなぃよ!!」
なんて
恋太郎ちゃんの可愛いお手てで、鼻の穴を引っ張られながら
涙を流して嬉しそうに言っている始末で御座いますから(笑)
え?
あたしと雅吉かい?
まあ、あたしらは相も変わらずと言った感じさねぇ
ああ、勿論
2人とも
恋太郎ちゃんを、我が子みたいに可愛がっておりますよ
…そう
あたしには、一生持てないだろう
我が子みたいに、ね…