第228章 検査という名の洗脳
禪院叶
「そうだ私だ。
今夜は眠れないと思うが
明日には抗議をして退院させるから辛抱してくれ。」
部屋に戻るのと同時に
廊下に数人の足音と
騒めく声が聞こえてきます。
禪院叶
「おそらく直ぐに
この部屋に安否確認のナースが来る
俺と祐太はもう行くよ」
叶さんは手際よく窓を開けると
外に飛び出し…
あっという間に姿を消しました。
「えーΣ(´Д`;)」
そして入れ替わりに
一度は窓外に避難していた看護師さんが
部屋の中に戻ってきました。
看護師
「とにかく拘束を施します!
それからプロジェクターも!!」
「逃げなかったんですか?」
看護師
「はい…
だって!入職して1年…
お局からのパワハラに耐えてきて
ようやく初ボーナスが来月貰えるっていうのに
逃げたら貰えないじゃないですか!!
だから…逃げるのは踏みとどまったんです!
とにかく…貴女も私も助かる為には
今は何も無かったように元に戻します!!
きっと明日には退院できるように
協力しますからぁ!!」
「ボーナス……」
新人ナースさんは
まるでベテランナースのように
素早く私の拘束をし直すと
プロジェクターのスイッチをオン…
"ガラガラガラッ!"
その時でした、
私の病室のドアが勢いよくあき
中に2人のナースと警備員が雪崩れ込んできました。