第206章 腹貸しの暴走〜もうなんでも良いや編〜
バスに乗り込んだ私は
予定通り仕事へ向かいます。
なんで呑気に仕事なんて?
と思われてしまいそうですが、
これからはもう"悟さん"に気付いてもらうことも
守とちづると祐太のお母さんに戻ることも叶わない…
そうなれば強制送還になります。
という事はつまり今度こそ死ぬのです…
だからこそ私は
この命を無駄にしたくないので
最期まで仕事には行きます。
(イルミネーション…綺麗ね…)
バスの車窓から見える街の景色は
クリスマスのイルミネーションで溢れています。
(どんな時でも、
クリスマスは子供達と過ごしたのに…)
私の脳裏に次々と
クリスマスの光景が頭に浮かんでは消えていきます。
「…寂しい…」
ポツリと呟いた言葉は
バスの音に掻き消されてしまいました。
「もしかして…梅乃…?」
「(。・ω・。)?」
寂しくてどうにかなってしまいそうな
このタイミングで、
草刈りメンバーの柊くんが
私の後ろの席に座っていました。
「柊くん、こんばんは( ・∇・)ノ"
同じバスなんて凄い偶然だね。」
柊
「まさか!
俺はこんな夜にバスなんて乗らないから
偶然じゃなくて必然。
ほら梅乃が言ってたね?
副業のキャバクラに行くのにこの時間の
このバス使うって。」
(んー?言ったかなぁ…
あぁ!言ったかも(*´∀`*))