第193章 覚醒する腹貸し
夜蛾
「呪術師…いや、
御三家もそうだけど
五条さんの嫁として"広く知られて"いるのは
正妻の香織さんの方だと思う。
だから僕は"貴女"を知らなかったわけだし。」
「待って…ちょっと理解が……
私は確かに悟さんのお母様にも
五条家の当主の妻だと言ってもらったわ。
だから正妻なんて……」
夜蛾
「それ本当かな?
玉乃さんがそんな事を言うかな…
きっつい性格だから正妻の香織さんでさえ
認めていないと有名なくらい気難しい人なのに。」
(玉乃…??
悟さんのお母様の名前は時子……)
夜蛾
「僕が思うに
五条さんに上手に騙されてたって
ことだと思うんだけど。」
「…ありとあらゆる人が、
私を騙す為に…
悟さんの巧妙な指示に従って
いたってこと…ですか?」
夜蛾
「グッドアンサー!
この病室を見れば…答えは明らか。
さんの隣に五条さんは居ないでしょ?」
「…すみません夜蛾さん。
夜蛾さんが尊敬する方は誰ですか…」
夜蛾
「えー?なに突然?
雰囲気変える為の質問??
それは良いね、雰囲気悪いし。
僕の尊敬する人は圧倒的に親父かな!
息子として一緒に過ごすことは無かったけど
親父のお陰で自分の長所が分かったし。」
「そうですか…
でも…亡くなられたんですよね?
所詮その程度のお父様を尊敬ですか…
笑えますね。」
夜蛾
「は?なんて!?」
"ガシッ!…ドンッ!!"
夜蛾さんは頭に血が昇ったのか
私を床に押し倒しました。
「自分が酷い事を言われれば
お怒りになられる…
呪術師の方々は皆さんそうなんですか?
心のそこから嫌いです
夜蛾さんも呪術師も…
いつも泣くのは腹貸しばかり
誰にも讃えられることなく
最期に悲しく死ぬだけ…
夜蛾さんは悟さんに頼まれて
いやいや来たのだとは思います
ですからどうぞお帰りください。」
まだ私の上にいる夜蛾さんに
帰って欲しいと伝えました。