第123章 よく眠る子
店の主人
「あら、可愛らしいお母さんと赤ちゃんが
こんな汚い店に来てくれたのかい。
ありがとうね。」
歳は80後半くらいの、
お団子頭に懐かしのモンペのような
お洋服をきたマダムが私達を迎えてくださいました。
「そんなことないですよ。
生活に必要なものがほとんど揃っているので、
とっても素敵だと思います(๑・̑◡・̑๑)」
店主
「あら、そうかい。
嬉しいことを言ってくれるね。
こんな店でも閉めずにいて良かったよ。」
お婆ちゃん特有の、
ゆったりとした口調が
疲れた私の心に沁み渡ります。
「お婆ちゃんは、
このお店を1人で切り盛りしているの?」
店の主人
「お父さんが亡くなってしまったからね。
でも...もう畳まないといけないねぇ。
売り物に埃が積もったらお終い...
お父さんもよく言っていたよ。」
お婆ちゃんは、悲しそうに呟きました。
(...そうだわ!)
「お婆ちゃん!
わたし、明日から2ヶ月くらい
ちょっと暇になるんです。
この子を連れてきても良いんでしたら
お店のお掃除とか手伝わせていただけませんか!?
こんな素敵なお店、無くしちゃったら勿体無いです。」
店主
「おや(´⊙ω⊙`)」
「もちろんお金は頂きません💦
私...事情があって、この子と2人だけで
暮らしているから寂しくて…」
店主
「1人で育てているのかい...
それはまぁまぁ、大変でしょうねぇ。
そんな時に良いのかい?
この店の掃除なんて(・_・;」
お婆ちゃんは心配そうに私を見つめます。