第114章 Wthout Rika .
「いえ、生き急いでるのではなく。
私は悟さんを生かす為に
計画的な自殺を選んだだけです。」
今更綺麗事を言う必要はないので、
ハッキリそう言いました。
宿儺
「ほう。」
「……」
宿儺さんは珍しく難しい顔をして
私を見つめています。
宿儺
「…フッ…随分と強くなったのだな。
ほれ抱きしめてやるからこっちに来い。」
宿儺さんは、
クイクイッと指を動かし私に来いと言います。
「…宿儺さんが来てください。」
宿儺
「俺に命令か?良いご身分だな。
…まあお前にならば命令されるのも悪くないか。」
"スッ"
宿儺さんは私の側に来ると、
私の頭と背中に手を添え
グッと抱きしめてくれました。
宿儺
「久しいな、お前は昔も今も変わらず
小ぶりで抱きやすい。」
宿儺さんらしくなく、
とても大切そうに私を抱くものだから
なんだか涙が流れてきました。