第98章 気にも留めない
「…もういや…」
頭花
「あっ!キスしちまったじゃねぇーか!!」
「!!」
そんな視線が悟さんと女性に釘付けの私の瞳と、
悟さんの瞳が重なりましたが...
「………」
悟さんは"何も見なかった"ように
再び女性に目線を移動しました。
頭花さんはその光景を、
ワクワクしながら見ています。
「わっ...私...帰ります(´;Д;`)!
頭花さん酷いわ...こんなの見せるなんて!!!」
"タッタッタッタ..."
私は頭花さんから離れ
"2人"とは正反対の方向に走り出しました。
頭花
「あっ!ちょっと!!」
(悟さんなんか...大っ嫌い!!!)
ほんの数ヶ月前まで、
私しか見つめていなかった眼が
今は違う女性を見つめていて...
あの甘かった唇も重ねている。
そんな姿を見ているのが辛いから
一刻も早く立ち去りたかった。
頭花
「おい!!!待てって!!」
私は頭花さんに追いつかれないように...
"バタンッ"
タクシーに乗り込みました。
(こんな短期間で、
他の女性とヨロシクできるなんて...
やっぱり私なんてどうだって良かったのよ!!
ううん…もしかしたらあの2人...
ずっと前から親しかったのかも...)
次から次へと、
瞳から大粒の涙が頬を流れます。