第93章 実家
不安そうな表情を浮かべて
立ち上がる様。
どうして私は...
こんなか弱い様に
あんな酷いことをしてしまったのかと、
懺悔の気持ちが込み上げてきます。
玉木
「あちらのお部屋では、
何やら難しそうなお話が始まったので
守様をお連れしたのです。」
「…守…おいで(*´ω`*)」
息切れをしているような、
細い声で守様を呼ぶ様。
"タッタッタッタッ…"
すると守様は、
私の手を振り解き
様のもとに走り出しました。
"バフッ"
そして様の御御足に
抱きつかれました。
玉木
「……では……」
(様の元で使用人など、
もう叶わぬ夢なのでしょうか...)
私は中庭に背を向け屋敷の中に戻ろうとした時でした...
「…玉木さん…
何故、私の実家にまで着いてきたんですか…」
様は私に質問をされました。
玉木
「それは...玉木が様の使用人だからです。」
言い訳をしないで、
説明をする事と悟様からキツく言われましたので
その通りに致します。
(どうか伝わってください...この気持ち...)
「…そうですか…」
様は
足にしがみついている守様の頭を
優しく撫でながらそうおっしゃいました。
玉木
「では…」
少しだけ、少しだけ...
話ができたこと...涙が出るほど嬉しかったです。