第93章 実家
"チクタクチクタクッ...."
"スッーースッーーー"
古い時計の秒針音と、
守の寝息だけが響く居間...
(気まずいなぁ...)
「………」
お母さんが来てから話そうと、
黙っていると...
父
「守は晩御飯は食べたのか?」
新聞に視線を向けたままの父が
口を開きました。
「う、うん。食べたよ。
機内食だったけど量もあったから
大丈夫だと思う...」
父
「育ち盛りに機内食だけか...
五条家の方に聞かれたら叱られるぞ。
まったく子供が子供を作るとこうなる...」
「そ、そうだね💦」
祖母が言っていました。
腹貸し家に男児が産まれると歓迎はされず蔑まれると...
祖母は父の誕生を心から喜んだけれど
親戚はみんな溜息を吐いたのをよく覚えているって...
私が誕生した日の夜、父が安堵の溜息を吐いたそうです。
"私にあんな苦労をさせなくて済む"って...
父がどんな辛い想いをしてきたのか想像出来ないけれど
私を心配してくれた事実があるから、
酷い事を言われても...嫌いにはなれない自分がいます。
父
「ウチにはいつまで滞在する気だ?」
(言い方微妙(;´д`)
この言い方は長居はするなってこと?)
「えと...守の顔を見せられたから、
明日には...」
父
「ばっかもーーん!!」
「(´⊙ω⊙`)!!」
声はデカいものの、
おそらく守を起こさないように
音をたてずに静かに立ち上がりました。
(でました、波平ファンのお父さんの口癖...💧)