第2章 距離1
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翌日から、本格的に護衛としての仕事が始まった。といっても、五条は日中は学校へ行っているのでその間は鍛錬である。五条が帰ってくると、とりあえず共に行動した。
はじめは気にする素振りのなかった五条だが、次第におれを避けるようになった。まぁいっか。面倒くさくなって放置をしていればじいさんに見つかりまた折檻部屋へ。
むかついたので、次の日からは徹底的につくことに決めた。
「ご…、悟……様」
様とか今まで使ったことないんだけど。言ってて恥ずかしい。それとも普通は使うものなの?さっぱり分からん。
「………」
「あの、聞こえてますよね」
「………………」
「聞こえてます?」
「……………」
「聞こえ……うっざ」
つい、言ってしまったのは仕方ない。こっちを振り返った五条ががんを飛ばしてきて言った。
「ぁあ?死ねクソ」
……聞こえてるじゃん。