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🍆だけが襲われる世界で

第30章 再会の約束


「えっ」
 さすがに寝過ぎたのかと時間を見、大量に溜まったメッセージに気づいて俺は驚いた。今見るからと急いでメッセージを確認すると、そこにはよく知った顔の女の子が描かれたキャラクターのイメージ図が送られていた。
「ドズさん、これって……」
「はははっ、かわいいですよね」ドズルさんはよく親しんだ声で笑った。「今度僕たちが挑戦することになる企画のイメージキャラクターなんですよ」
「あ、ああ〜……イメージキャラね……」
 俺は出来るだけ冷静を装いながらスマホに映し出されたイメージキャラクターのイラストを眺めた。白い髪に布を巻いたような服、ショートパンツを穿いた弓矢を持った女の子は、夢の中で出会ったスケルタによく似ていた。
「この子はスケルトンを擬人化したイラストみたいで……」
「よく知ってる」
「え?」
「あー、いや、なんでもないなんでもない」
 思わず全てを喋ってしまいそうになって慌てて繕った。ドズルさんはははっと笑いながらどうしたのかと聞いてきたがなんとか誤魔化す。まぁドズルさんなら、いずれ何かに気づきそうなのだが。
 俺はドズルさんからこれからの予定や今度の企画を聞きながら体を起こした。さて、身支度をしないとな、と通話を終えて部屋を出ようとした時、ズボンのポケットに何か違和感があって手を突っ込んだ。
 ポケットの中には、ボロボロになった小さな複数の枝が入っていた。これがなんなのか俺はすぐに分かり、適当な棚の上にそれらを全部並べた。
「……夢じゃなかったんだよな」
 俺は一人、そう呟いた。
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