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🍆だけが襲われる世界で

第18章 意外な弱点


「絶対割らない!」
 とスケルタは深く頷いた。まぁ割れてもまた取りに行けばいいよと言うと、これはぼんから教えてもらったものだから同じものは一つもないと返された。言うじゃない。十五年のわりには、大人びたことを。
「じゃあ行こうか」
「うん!」
 俺たちはエンダーパールを投げるために洞窟を出た。ベットも忘れずに持って地上へ上がると、上がったばかりの朝日が見えた。俺はサングラスを掛けていたから気にならなかったが、スケルタは眩しそうに目を細めた。
 周りの湧いていた敵MOBが日焼けしているのを横目に、スケルタをちらっと見てみる。そういえばスケルタは太陽の光は平気みたいだ。そこがクリーパーの血筋といったところなんだろうか。まぁMOBに血液が流れているのかは知らないが。
 俺はブロックを少し積んで早速エンダーアイを投げてみた。ふわりと飛び上がる不思議な水晶玉は、丁度朝日とは真反対を指し示した。
「へぇ……そうやって要塞を探すの?」
「そーそー」
「ネザー要塞もそうやって見つけれたらいいのに!」
 それは俺もそう思うと返しながら、どんどんと森の中へと進んで行った。今はいたって平和だが、忘れてはいけないことがある。ここがなんでも引き寄せられる世界で、俺だけが襲われる世界だということを。
「モ〜!」
 しかし、心配していたよりもまだ楽なものが俺のところに引き寄せられてきた。牛の大軍だ。
「わ、ぼん!」
「スケルタ、助けて!」
「うん!」
 素直に応答したスケルタは俺の周りにいる牛を次々に倒し、得たドロップ肉を拾いながら食料を得たと互いに笑い合った。
「あ、向こうに村があるな」
 そうして歩き続けていると、俺たちはトウヒの村へとやって来た。ここでもう一度エンダーアイを投げてみると、丁度よく村の中心にある井戸の中へと入って行った。
「こんな水の中にあるの?」
「かもしれないね」
 さて、入ってみようかと俺が井戸に足を上げたが、スケルタがいつまでもついて来なくて振り向いた。
「どうしたの、スケルタ」
「僕、泳げないんだ……」
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