第1章 出会い
薄暗い廊下を歩く。ここはBARで夜の仕事だ。私は制服を脱ぎ、可愛いおしゃれのピンク色のロングスカートを着る。上に白のもふもふのジャケットを着て高い赤いヒールを履く。そして手元の鏡を見ながらメイクをする。
夜の仕事は悪いイメージが世間ではある。しかしわたしの仕事は違う。内容を聞いてみるとただのバイトだ。
私がやっている仕事、それはお客さんに飲み物を用意し、ただの雑談。居酒屋みたいなものだ。居酒屋よりおしゃれみたいな。だから年齢層もバラバラ、もちろんおじさんと言える五十代くらいもいるし、なんなら二十代前半の大学生と言える見た目の人も来る。
この仕事は楽だ。雑談が何より楽しい。
私は昨日もした通り常連さんにワインを注ぎ微笑む。
『今日のワインは赤ワインです。
ゆっくりしていって下さいね。』
そこから始まるお客さんとの雑談。以外としょうもない事も話している。飼い猫がソファーを引っ掻いたとか、今日の合コンはハズレだったなどなど。
聞いていておもしろい。
こんな事をしている間に休憩時間になった。裏へ周りスマホの電源を入れる。ロック画面には10時31分と表示されている。休憩は約15分。私はくる前コンビニに寄りしゃけのおにぎりを買ったのを思い出しカバンをあさり食べる。
するとーーーー。