第4章 フリースケーティング
「おはようございます、、」
フリースケーティング当日。
「おはよう、昨日はよく眠れた?」
会場で須藤コーチと合流した。
時刻は8時30分。
私は最終滑走で28番目だから、アップの時間もけっこうとれる。
「まぁ、はい」
「何よテンション低いわねー」
須藤コーチが顔をしかめる。
「津田七瀬って人に昨日宣戦布告されたんですよ」
「はぁ?そんなんで落ち込んでどうすんのよ!」
いつものように須藤コーチは怒鳴った。
「はい、、、」
「…相手がどうであれ、さとみはさとみの演技をしなさい。練習通りやればいいの!ほら、モチベーションあげて!」
と言って須藤コーチは肩をバンッと叩いた。