第3章 ライバル
津田七瀬の名前が呼ばれてから5分後…
「大塚さとみさーん、お入り下さーい」
「は、はい!」
私が呼ばれた。
マッサージ台でふくらはぎから足首にかけてマッサージしてもらった。
でも津田七瀬のことが気になってしょうがない…。
診察も無事終わり、また待合室で会計を待った。
津田七瀬、もう帰っちゃったかなぁー
「大塚さとみさーん」
また名前が呼ばれた。
会計を済ませ、私は接骨院を後にしようとした。
しかし、
手動のドアを開けた先には壁にもたれかかって財布を整理している津田七瀬の姿があった。
「あっ!」
私は思わず声を発してしまった。
「あ、」
すると津田七瀬も声を発した。
「…あたし体力に自信あるし、フリーの自己ベスト君より上だから。」
と、言った。
「え?」
な、な、な
なんだこの人はーーー!
初対面だぞ!?
「ま、まぁがんばりましょう…」
私は何を返したらいいのかがわからず、弱々しく答えた。
「絶対負けないから、」
津田七瀬はそう言ってドアの脇にとめてあった自転車で颯爽と去っていった。