第2章 憧れの人
「いやぁ~ホントにありがとうね」
ロッカー室のベンチを出て自動販売機の前。
スケート靴は全く同じやつの予備を須藤コーチが持ってるから一安心だ。
「さとみちゃんはそそっかしいなー」
「よく言われます。」
ガション
自動販売機からミルクティーが転がり落ちた。
そしてそれをゆづるくんに渡した。
「はい、これ。ゆづるくんも忙しいのにごめんね」
「えーありがと!俺ミルクティー好きだよ」
そう言ってゆづるくんはニッコリ笑った。
「…よぉし。明後日フリー、ゼッタイ1位とるぞぉー!」
「おぉー!」