第6章 *File.6*諸伏 景光*
【現在】
「例の彼女とはどうなのよ?」
「聞かれる度に言ってるけど、何かあるわけないだろ」
「えーっ!もう丸二年も経つのにー?」
毎度毎度、萩原は煩い。
その度に、バレてしまったことに後悔するばかりだ。
「相手は自分が受け持つ生徒だぞ?」
だから、この会話はもう何度目だ!
「何を拘ってんのかは知らねーけど、恋愛に年齢は関係なくねーか?」
「今更だけど、こればっかりは俺も松田の意見に賛同するよ」
ゼロ、お前もか。
「そりゃ、問題はなくはないし?ってか、それが一番引っかかってんでしょ?」
「けどよー、それはそれ、これはこれじゃね?」
「そういうこった。何だかんだ、担任も三年目。いい加減、潔く自分の気持ちを認めたらどうだ?」
「……伊達まで」
「そうしたら、自分自身もラクになるんじゃねえのか?」
既婚者の余裕、か?
全く羨ましい限りだよ。