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*名探偵コナン*短編集*

第2章 *File.2*降谷 零*(R18)


「雪乃の居場所は、この世界にある」
「風見さんに調べてもらったの?」
「ああ。どうやら今日まで逢えないように、お互いの存在すら気付かないように、誰かに仕組まれていたようだ」
「神様に、かな?でも、よかった」
「今度、二人で神様にお礼を言いに行かないとな」
「うん。なるべく早くに」
「よかった。のは、もうお互いに逢えなくなることも、消えたりすることもなくなるから、か?」
「うん。零くんに逢えなくなるなんて、もう絶対にイヤなの」
「俺も耐えられないよ」

もう、十分過ぎるほど待たせてもらった。
こちらの事情を、雪乃が理解してくれている。
それは、とても有り難いことだ。
例え、雪乃に出逢うことなく、別に大切に想う人に出会い職業上の説明したところで、相手に理解してもらえないような複雑な事情を、既に今の時点で俺は山ほど抱えてしまっている。

「もう、私の…」
「の?」
「一生分の幸運を使い果たしたかも」
「それはない」
「どうして?」
「俺とお前が再会するのは、運命だったからな」
「…運命?」
「だから、俺と雪乃の幸運はまだまだ残っているはずだ」
「まだまだ?零くんは、何時でも前向きね」
「じゃないと、人生勿体無いだろ?」
「ふふっ。確かに」

身体を重ね合ったまま近い場所で微笑み合うと、ゆっくりと律動を始めた。

俺達の夜明けは、まだ遠い。


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