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酸化した世界で君と詠う

第2章 全ての始まり


「これ、君がやったのかい?」

顔を上げて見ると白いシャツに黒のコートを着た少年が立っていた、年齢的に見ると4、5歳上だと思う
少し離れた場所には黒いスーツ姿の人達が居た

「分からない、私がやったかもしれない…」

「もしかして君は異能力者?」 

「異能力者?」 

(さっきの人も言っていたけど聞いたことが無い)

「簡単に言えば常識では考えられない現象を起こす特殊な力だね」

「は、はぁ……?」

(今まで普通に暮らしていたのに急にそんなことを言われても……)

「うん?てことは私がこの人達を殺ったのはその異能力ってやつなの?」

「そうだね……死体を見る限り、君は火を操る異能力者かもしれない」

「あ、あの……?」

「何だい?」

「あなたは誰?、私を殺しに来た仲間なの?」

(異能力とか異能力者だとか混乱していたけど肝心なことを聞き忘れていたな…)

「僕は太宰……太宰治だ、僕は元々君が殺した人達を殺しに来たのだけど無駄足だったようだね、まぁ手間が省けたよ君は?」

「月詠琴華……です」

(仲間だったらどうしようかと思ったけど違って良かった……)

「………君が__」

ぼそりと呟いたように太宰は言った、そして次に

「君、ポートマフィアに入る気はないかい?」

「……ふぇ?」

(この人は突然何言い出すんだろう……マフィアに入る気はないかって)

「ははっ、変な声だね」

「そりゃそうでしょ!マフィアに入れだなんて……」

「それもそうと言っていられないんじゃない?君が殺した人達はポートマフィアと今交戦中のマフィアなのだよ、このまま暮せばまた襲って来るかもしれない」


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