第10章 花を咲かせる
あの後、私は太宰さんと一緒に逃げた
私の異能を使って何とか外に出られ、今は何故か太宰さんが生活している部屋に居る
(何でこんなことになっているのだろう?)
「帰っていい?」
「帰ったとしても君は裏切り者として処刑されるだけだよ」
「じゃあ私はどうすれば……」
「私と一緒に暮らして武装探偵社で一緒に働こう!」
「……」
「私、言ったよね?一緒にいられない」
「何で?」
「もうこれ以上、私は何も失いたくない…望みたくない」
「太宰さんがマフィアを抜けてしばらく経った頃に姐さんに言われた、“もうこれ以上、何も望んではなるぬ” と」
(今思うと、姐さんは私の気持ちに気づいていたのかな)
「姐さんが何を言おうと私のすることは変わらない」
「……あの時は悪いと思ってる、でもいつか迎えに行こうと思っていたのだよ」
「ならそれを言って!!突然あなたが居なくなった私の気持ちを!!」