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酸化した世界で君と詠う

第9章 途切れることがない縁


「人虎がどうとかの話なら芥川が仕切ってた、奴は二階の通信保管所に記録を残してる筈だ」

「どうも」

「用を済ませて消えろ」

中也が去りかける

「そうだ、1つ訂正」

「?」

「今の私は美女との心中が夢なので君に蹴り殺されても毛ほど嬉しくない、悪いね」
  
「あ、そう、じゃ今度自殺希望の美人、探しといてやるよ」

太宰は感動し 

「中也……君は実は良い人だったのかい?」

「早く死ねって意味だよバカヤロウ」

中也が去りながら

「言っておくがな、太宰、これで終わると思うなよ」

中也は振り返って太宰を指差し

「二度目はねぇぞ」

「……違う違う、何か忘れてない?」

「……」

中也は背中を向けて屈辱に耐えている
太宰はワクワクしている
中也は覚悟を決めて振り返り内股で

「二度目はなくってよ!」

膝から崩れ落ちる太宰


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