• テキストサイズ

酸化した世界で君と詠う

第9章 途切れることがない縁


「けどそれは幹部会の決定事項だ、決定より前に私を殺したら……君は罷免か、最悪処刑だ」

「……俺が諸々の柵を振り切って、形付り構わず殺したとしても……手前は死ねて喜ぶだけ……か」

太宰は微笑み

「ってことで、やりたきゃどーーぞ」

「……」

「ほら早く、まーだーかーなー」

中也は怒り震えながらも、ナイフを捨てる

「何だ、やめるの?私の所為で組織を追わせる中也ってのも素敵だったのに」

「くそ……」

中也はハッとし

「……目的は3つって言ってたよな?」

太宰はニヤニヤしている

「真逆……ってことは……二番目の目的は俺に最悪な選択をさせること?」

「そ、久しぶりの再会なんだ、このくらいのサプライズは当然だよ」

微笑む太宰

中也は膝をつき

「……死なす……絶対こいつ死なす……」

「じゃあ最後の目的は何だ?」

「そこに倒れているお姫様を迎えに来た」

(え、私?)

「………手前がいなくなって琴華は変わった、人一倍に働いて準幹部になった、初めは苦労したんだぜ、返事すらしねぇし殺人鬼のような目で見てきやがる、おまけに“血染めの戦姫”とも呼ばれるようになった」

「え、惚れたの?」

「んなことあるか」

(だよね)


/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp