第9章 途切れることがない縁
「けどそれは幹部会の決定事項だ、決定より前に私を殺したら……君は罷免か、最悪処刑だ」
「……俺が諸々の柵を振り切って、形付り構わず殺したとしても……手前は死ねて喜ぶだけ……か」
太宰は微笑み
「ってことで、やりたきゃどーーぞ」
「……」
「ほら早く、まーだーかーなー」
中也は怒り震えながらも、ナイフを捨てる
「何だ、やめるの?私の所為で組織を追わせる中也ってのも素敵だったのに」
「くそ……」
中也はハッとし
「……目的は3つって言ってたよな?」
太宰はニヤニヤしている
「真逆……ってことは……二番目の目的は俺に最悪な選択をさせること?」
「そ、久しぶりの再会なんだ、このくらいのサプライズは当然だよ」
微笑む太宰
中也は膝をつき
「……死なす……絶対こいつ死なす……」
「じゃあ最後の目的は何だ?」
「そこに倒れているお姫様を迎えに来た」
(え、私?)
「………手前がいなくなって琴華は変わった、人一倍に働いて準幹部になった、初めは苦労したんだぜ、返事すらしねぇし殺人鬼のような目で見てきやがる、おまけに“血染めの戦姫”とも呼ばれるようになった」
「え、惚れたの?」
「んなことあるか」
(だよね)