第9章 途切れることがない縁
「……くくっ」
「……何がおかしい」
「いいことを教えよう、明日、五大幹部会がある」
(嘘!?だとしたら連絡が行っている筈……)
「莫迦な、あるならとっくに連絡が……」
「……」
「君は私を殺さない、それどころか懸賞金の払い主に関する情報の在処を教えたうえで、この部屋を出て行く、それも、内股歩きのお嬢様口調でね」
「はぁ?」
「組織上層部にある手紙を送った」
「手紙?」
「内容はこうだ、“太宰死歿せしむる時、汝らのあらゆる秘匿、公にならん”」
「……?」
「噛み砕いて言うと、太宰が殺されたら組織の秘密が全部バラされるよってとこかな」
(おぞましい…)
中也の携帯が鳴る
中也は太宰から離れ、太宰を睨みつつ、横目でメールを確認する
太宰は楽しそうに微笑み
「緊急招集のお知らせかな?」
「真逆手前……」
「検事局に渡ればマフィア幹部全員百回は死刑に出来る情報だよ、緊急幹部会議が開かれるに値するね」
「そんな脅しに日和るほどマフィアは温くねぇ、手前は死ぬ」