• テキストサイズ

酸化した世界で君と詠う

第5章 戻れない場所(黒の時代)


誰かに呼ばれるような気がして酒場に行った

「やァ、織田作」

太宰が嬉しそうに行った

「待ってたんだよ〜」

織田作は手を掲げて返事をし、太宰の隣に座った

「聞いてよ!織田作!太宰さんがまた自殺をしようとしてたんだよ!!」

「だから傷があるのだな」

「呑気過ぎない?」

彼の名は織田作之助、簡単に説明するとポートマフィアの構成員で人を殺さない謂わば殺さない男

「これが普通だろう」

「織田作さんの天然ぷりは今にはじまったことではないですよ、琴華」

「そうだけど〜…って安吾!?」

入口の方から声がした
振り返ると学者風の青年が階段から降りてくるところだった

「やあ安吾!暫く見なかったけど、元気そうじゃあないか」

太宰が笑顔で手を掲げる

「元気なものですか、東京出張からたった今帰ってきたばかりなんです。日帰りのね、古新聞みたいにくたくたです」

「マスター、いつものを」

安吾が太宰の隣に腰掛けるのとほぼ同時に、マスターが黄金色の液体を安吾の前に置いた

「いいなァ出張、私も遊びに行きたい……マスター、蟹缶おかわり」

「勿論仕事です」


/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp