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酸化した世界で君と詠う

第33章 only my feeling


「それでもいい」

「ではまたよろしくのぅ」

琴華に四神が宿ち、月詠の巫女になる

「いいのかい?」

「うん、決めたことだし」

琴華は太宰から視線を外し、体の陽香に目を向ける

「琴華……」

心配そうに見つめる太宰

「ちょっと行ってくる」

魂が抜けている体になっている陽香に近付き、陽香の隣に膝を下ろして話しかける

「お久しぶりです、陽香さん……」

琴華は微笑む

「私、琴華です、9年ぶりですね」

「私、陽香さんが家政婦を辞めてから沢山頑張りましたよ相変わらず何もできませんでしたけど」

「それでも陽香さんを心配させないようにっていっぱい、いっぱい……でもね、私にもあれから沢山の友達や仲間が出来たんですよ」

「凄く頼れる先輩達や、いつも心配してくれる後輩達」

「本当に色々な人にお世話になって……感謝の気持ちでいっぱいで……」

「でもあなたに……」

陽香との思い出を思い出し、琴華は涙声になった

「一番今の自分を褒めてほしかった!一番色々な事を教えてもらいたかった!」

「本当はあなたに一番感謝を伝えたかった……」

「何でこの感謝の気持ちを伝えられないの!!」

「“ありがとう”って!!たったそれだけの言葉をなんで!!」


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