第33章 only my feeling
「なるほど……」
紅はぼそりと呟く
「?」
「お主は一回陽香の中で死んでおる、それで妾達との繋がりを断ち月詠の巫女ではなくなった、じゃがお主は例外として本来の異能で生き帰っておる」
「生き返った?本来の異能?」
(全然判らん)
「“四季ノ神”は月詠の巫女になった者の異能、お主の母上も同じじゃ、死んだ場合は力を失う、お主の本来の異能は理に関するもの、それしか判らぬ……」
(つまり合わせて2つの異能を持っていることってことかな)
「理……それで生き返ったってこと?」
(じゃあこの眼も?)
「そうなるのぅ」
「良かった……」
「何がじゃ?」
「もう紅達が月詠の巫女を守るという縛りから開放されるから」
それを聞いた紅、輝羅、玲夜、鈴は黙り込む
「妾達は“本”と月詠の巫女を守るのじゃ」
「何で?」
「妾達は元々行き場のない神だったのじゃ」
「そんな時に拾ってくれたのが初代月詠の巫女」
「そして役割を与えてくれたしな」
「感謝してもしきれない」
「妾達の意見はこうじゃ、お主は月詠の巫女になりたいのかのぅ」
「勿論、持っていないけどいつか本を見つけてそれを管理して守るのが私の役割だし」
「決まりじゃな」
(また月詠の巫女になれるのが驚きだな)
「琴華様、もしこのまま月詠の巫女になるなら本来の力がなくなってしまいます、それでもいいのですか?」
鈴が琴華の意思を確認するように問いかけた