第32章 唯一の家族
(逃がさない!!また無茶をしてでも!今を逃したらもう真実を知れない気がする!!)
琴華は眼の力を使い、燈夜の記憶を見る
“いいんだ、俺は嫌われてもいいから遠くから見守る、そう決めたんだからな”
(何?この記憶……過去?私に関するもの全部?私が生まれてから?)
(愛されていた、要らない子じゃなかった……でも何で……黙って)
“世界が琴華の敵になっても俺だけが最後まで味方であり、守ってやる、その覚悟だけは本物だ”
“これでいい、琴華の幸せを願うなら……これで”
(これが真実……そんなのって……)
琴華は燈夜の記憶を見て驚く
(だからと言ってこれまでの行動を許せるわけない、そんないい子じゃない……私は……だけど……不器用なお父さんの分だけ自分から寄り添ってもいいのかもしれない)
「待ってくださいよ、どうせ守るなら……ちゃんと守ってくださいよ……お父さん」
(些細な一歩かもしれない、だけど私達はそんな些細な所から始めよう、家族として、二人っきりの血の繋がった親子として)
「ああ、守ってやるよ、だから大人しく言う事聞いてろ、琴華」
燈夜は微笑む、そして燈夜は異能を使って二人で邪神の領域から出る