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酸化した世界で君と詠う

第29章 横浜事変


「おい、勿体ぶらないで何か話せ」

「妾達は琴華を連れ去った犯人を知っておる」

「誰だ」

「“星野陽香”じゃ」

「な!?あいつは9年前……俺が殺した筈だ」

「じゃが生きておった……邪神としてな」

「いや邪神も殺した筈……」

「まぁそんなことは考えても無駄、重要なのは琴華じゃ」

「一体、何があったのですか?」

「結論から言うと琴華はもう死んでいる可能性があるのじゃ」

「何だと!?」

「……」

「え!?」

部屋にいる全員が驚きを隠せなかった

「紅、冗談は辞めろ」

「お主にはこれが冗談に聞こえるか?じゃが妾は時と場合によるがあまり冗談は言わぬのじゃ……」

「燈夜、多分本当だよ……」

「嘘……だろ」

絶望する燈夜

「えっと、紅さんでしたよね?詳しく教えてください」

紅は頷く

「細かいことは省くが妾達は赤レンガ倉庫付近で陽香と戦った、太宰坊を取り戻す為に……じゃが結果は妾達全員殺された__」

「じゃあ何で紅さん達はここに……確か数日経たないと現れないことは出来ない筈です」

「問題はそこじゃ、何故妾達がこうしてお主らの前に現れることが出来るのか……それで妾はある仮説を立てた、それは妾達の能力を失った琴華は陽香に取り込まれ、陽香の中で死んだ……そうとしか考えられぬ、本来なら数日経たないと現れる筈が琴華が死んだことによって妾達は自由に現れる」
 
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