第27章 横浜事変 〜前夜〜
「何で生きているの?粉砕した筈なのに」
(まさか異能力者!?)
「種明かしをしましょう……私は異能力者で嘘を操るのが得意……先程琴華様が粉砕したものは嘘で出来た私なのですよ」
(中也の重力操作のほうがマシに思えてくる)
「じゃあそれも嘘?本物は安全なところで傍観かな?」
「ご想像にお任せします」
(どうする?相手は嘘を操る能力だ、嘘を見破るなんて至難の業よ)
琴華がそう考えていると
“琴華、作戦がある”
琴華の頭の中に紅の声が響く
(何?)
“神粋玲を使うのじゃ、あれは真実を見る目……“叡天の眼 ”が備わっておる”
(なるほど、その“叡天の目”で陽香さんの居場所を見つけ、“玲”で放てば一石二鳥ってわけだね)
“その通りじゃ”
(試してみる価値はありそう)
紅と琴華が脳内で会話していると
「どうしましたか?先程から溜まり込んで」
「“神粋玲”」
姿が変わる
(情報が飛んで来る……!?)
「最初から力を開放してきましたか……馬鹿ですね」
「それは陽香さんのほうが馬鹿だよ、私がむやみに力を開放する訳がないでしょ」
(まさか目の前にいる人が本物だったなんて……探す手間が省けた)
琴華は陽香の背後に回り
(よし!背後を取った)
「玲」
玲を撃つ
陽香は笑みを浮かべながら受け止めると